2001年1月26日深夜、某チャットルームにて―――

きのこ>一番乗りぃ〜! ……って、誰もいないね。えへへ。
武内>おまたせ
きのこ>あ、来た。けどまだ司会者がいねえぞ。
―――…お、お待たせしました
武内>それじゃお願いし まーす
―――では、これより月姫座談会・第一夜を始めたいと思います
武内>よろしくお願いします
きのこ>わーい。ぱちぱち。
―――今日はアルクについて。まあとりあえず、堅苦しくなくがんがん脱線して行きましょう
武内>おっけぇ〜
きのこ>それでは始めますか。

―――はい、では最初の質問。「アルクェイドというキャラの生まれたいきさつについて」お聞きしましょう
武内>あれの原案って何時だっけ?
きのこ>原案は……覚えてないぐらい、昔。
武内>元々は、奈須の小説用のネタだったんだよね
きのこ>そうですね。えっと、あの頃は今みたいにお天気吸血鬼じゃなくて、もっとこう、ドバッと冷たい感じの吸血鬼。
武内>え?そうだったの?
きのこ>ステレオタイプの吸血鬼だったよ。
武内>オレの中では当時から可憐なイメージがあったけど…
きのこ>今のアルクェエドとは正反対でしたよー。主人公も中年だったし(笑)
武内>え?中年?
きのこ>志貴がね、くたびれた感じの殺人鬼だったんよー
武内>それはあんまり美しくないなりよー
きのこ>うん。美しくない話だったよ。だって、言い寄ってくるアルクェイドに「一度殺した女に興味はない」とつっぱねるんだもん。
武内>…あ、そういえば…そうだったね…
―――ははあ、処女でないと燃えないわけですね
きのこ>まあ、わりと近い。意味は。
武内>月姫が終わってみると、原案バージョンも読んでみたくなるよね
―――つまり、中年のおっさんが妹とかメイドとか学生とかを手込めにしてまわる官能小説?
きのこ>……きのこはその頃、まだ純真可憐な少年でした。エロ含むは今回が初めて物語です!
―――えっちー!きのこえっちー!
きのこ>とまあ、ともかく正反対のお話だったんですよ、原案は。「死の線が見える殺人鬼と、吸血鬼の刺々しいコンビ」ってキーワードぐらいしか、もう面影夢幻なわけです。
武内>よくまぁ、ラブコメに転身できたなぁ、月姫
きのこ>ラブコメにしないと殺す、と武内くんが言ったんじゃないか!

―――最初、アルクにはもうちょっとクールな、お姫様な印象あったんですけど
きのこ>うん。きのこもあった。けどそれだと秋葉とかぶるじゃない。お嬢様とお姫様がいても困る困る。
―――それでゲーム始めたときの衝撃といったら…
武内>確かにね(笑)あるいみ一番スタンダードになったのではないかと
きのこ>あと"真っ白い"吸血鬼というコンセプトが出来た瞬間、原案の吸血鬼とは違った人になったですよ。
武内>アルクの今の形が出来上がったのは、有る意味消去法だったよね
きのこ>そだね。
武内>初期に設定されたヒロインが皆、主人公に対して丁寧語を喋っていて……
きのこ>そうだった。アルクェイドも丁寧語だったっけ。ほら、始めは「高貴な吸血鬼」だったから。
武内>で、丁寧語を喋らないとしたら、まぁアルクぐらいかなぁと…そんなこんなで、こういう役回り出来る位置にあるのはアルクしかいないっつーコトにったのでした。
きのこ>その結果は大成功だったけどね。
武内>主人公に対して同級生的な存在も居なかったし…
きのこ>さっちゃんは? あの子、同級生だよ。
武内>さつきはその時、影も形も無かったジャンか
きのこ>さつきの原型らしき人はいたじゃんっ! ほんっとーに優しい子でさ。
武内>さつきは、元はホモ臭漂う男子生徒だったと知るものは少ない…
きのこ>武内くん! そ、そそそ、そんなコトあったっけ!?
武内>あったじゃぁ〜ん>さつきの元ネタ
きのこ>あー! アイツかぁ! いたいた、いた!
―――それって有彦とは別の、もう一人友人がいたって事?
武内>友人というか…なんだっけ?
きのこ>勝手に志貴を友人だと思い込んでいるサイコさんでした。
武内>あ、そうそうそれ。
きのこ>良かったねー、前半の敵をあんなエセ殺人鬼にしなくって!
武内>練りこめば、それなりに行けたのでは?さつきには敵わないけどさ
きのこ>むむむ。でも、もうダメだよ。幻視同盟のアイツ、ちょっとかぶってるじゃんか。
武内>ちょこっとね。

―――アルクェイド、という名前が「アーカード」から来ているのではないか、という質問が時々ありますね。
きのこ>アルクェイドっていう名前も、始めはもう全然でなくて。で、武内くんが「きのこのストックから、アルクェイドを使おうよ」と言ったんです。
 武内>元々、全く別の作品に登場するキャラクターの名前だったんだよね
きのこ>どうせ吸血鬼ものをやるんなら自分の世界観でやろうと思って、結果としてアルクェイドという特殊な性質の人に出てきてもらったわけなんです。その分、説明が長くてゲーム前半はうんちく魔人となってしまいました。
武内>マイナス点があるとしたら、恐らくはそのあたりだね。説明が長い、という。

きのこ>デザイン的にはどうなんですか、武内くん。
武内>描いてて楽しかったですよ
―――キャラクターデザインの参考にしたキャラとか、そんなのありますか?
武内>実は、モデルが存在します
きのこ>ほほう、どのような?
武内>えっと、自分が大学生の頃だからもう6年くらい前になるんですが、友達の家でファッション雑誌を読んでいたら、ものすごく可愛い外人さんのモデルを見かけたんです
きのこ>デルモ!
武内>その強烈な印象を、なんとか自分のキャラにしようと試行錯誤しました。ただ、本当に漠然としたイメージしか無かったんですが…
―――あ、それ座談会載せるときに一緒に写真載せちゃいません?
武内>きのこや、その他の友人達と何年か前日光に旅行に行ったとき、雪の境内でなんとなく「あの娘が吸血鬼だったらどうだろう…」みたいなコトを考えたのを覚えてます
きのこ>うん。あの子には一目惚れしたもの。当時(六年前?)から、あの子のイメージで吸血鬼だったらすっごい魅力的だよね、と話してました。
武内>奈須もそのモデルさんの写真は知ってたからね。「アレ」で行こうって話したような気がします
―――今見ている皆さん、見たいでしょう、見たいですよね(笑)じゃ掲載しましょうね、写真
武内>アルクのイメージは、大体そのとき固まっていたのかも知れないですね。…ま、絵的に成功したかどうかは、ちょっとアレですけど(汗)
きのこ>え、成功してるんじゃないの? きのこ、あのアルク以外はもう想像つかないよ。
―――お互いにアルクのイメージが白、というのがあったんでしょうか?
きのこ>そうだね。アルクのイメージカラーは白。性格も外見も純粋なのさ。
―――「地下室のメロディー」をシャウトするのは純粋なんですか(笑)
武内>彼女の印象が余りに透明感あるものだったから、相反するイメージの吸血鬼という設定にしようと思ったわけですね
きのこ>ところで日光といえば。両生類研究所にいって、ひどい目にあったとしか覚えてないです。
武内>サンショウウオとかうようよ居たな(笑)
きのこ>つーか、アレ理科実験室だろ! なんで研究所なんだよー!
きのこ>……ごめん。両生類研究所の話はやめよう……
武内>あと凄まじく寒かったのを覚えてるにょ…

―――えー、色々考えてきたんですけど、そろそろ次の質問いーですか?(笑)
武内>おっけ。どうぞ
きのこ>ああ。効率よくいこうぜ
―――秋葉、ナ●コのワルキューレに並んでスケブ依頼の多いアルクですけれど、ユーザーの人気の方はどんなもんでしょう?
きのこ>……月姫のヒロインの人気ってバラけてるんです。正直、今のところはシ●ル先輩以外はみな同点かな、といったところかな。
武内>どうなんでしょう(笑)こちらとしても気になるトコですが…
きのこ>あ、でもきのこはアルクェイドが好きですよ。とくにキレたアルク。
武内>個人的な感触としては、わりと一般的にうけてるのかな、と。何かしらの属性を持たない、という意味で(笑)
―――武内さんはどのキャラが好きですか(棒読み)
きのこ>武内さんは決まってるじゃん(笑)!
武内>え?オレッスか?嫌だなーみんなだいすきさー
きのこ>あははははははははは! 笑わせるな小僧!
武内>ていうかね、シスプリ好きな人は秋葉が好きなんだって(笑)OKSGを見ていてなるほどなぁと納得したり
―――人聞きの悪い事を!
武内>好きなくせになぁ。なぜ素直にならんのかなぁ
きのこ>そなん? OKSG、妹ならなんでもいい違うん?
―――理想は隣の家のお姉さん。窓が隣接しているとベスト
きのこ>マニアックすぎ。
武内>まぁ今更ですが、自分は割とメイド属性なので、それだけで翡翠を贔屓してしまいます。しかたナインやー起源が覚醒して(略)
きのこ>起源、か。それを言われたら仕方ないか……
武内>まぁ熱狂的なファンは居ないけど、ちゃんと正ヒロインしてるって所じゃないのかな、アルクェイド
きのこ>確かに部分部分の盛り上がりでは他のヒロインにうにゃ? って感じだけど、アルクェイドの話が一番好きです。エンディングも、翡翠とアルクの終わり方だけボツがなかったですから。
武内>琥珀シナリオ、没出し、したっけ?
きのこ>琥珀シナリオは全てにおいて難産だったでしょ。なにしろ半月版が終わってから、急遽作成することになって。実質十日しかなかったじゃんかー!
武内>あれ?(笑)そうだっけ?結局1ヶ月くらいかからなかった?
きのこ>そーれーはー、シナリオプログラムふくむー。あの一週間は、のちに日の七日間って言われたぐらいです。睡眠時間少ないっていうのに、本当に終わるのかどうか怖くて魘されて眠れなかったぐらい。
武内>なんか…結構苦労話忘れてるなぁ…
きのこ>ですね。苦労話だけで本作れるっぽい。
―――「月姫を作った男達」とか漫画化しましょうか(笑)

きのこ>質問、次の質問ー!
武内>次ー次ー
―――じゃ、次の質問。アルクェイドには真祖としての一面と、おばかちゃんな一面がありますけれど、あのおばかなトコロは昔からなんでしょうか?
きのこ>いえ。昔はおばかな所を見せる隙間さえありませんでした。本編でアルク本人が語っているように、あのおばかなアルクは「壊れてしまった」ワケなんです。誰に? 志貴に!昔のアルクは言葉を発するコト、ありませんでしたから。
武内>おばかというか、子供っぽいよね
きのこ>単に素直なだけですよう。あー、でね、まあ……下地はあったのかもしれません。
―――昔のアルクは人形みたいだったのかと思ってたんですけれど、案外ロアとかににゃーにゃー懐いてたんでしょーか?
武内>あ、それはオレも聞きたい短編に出来るような、ドラマはあった?
きのこ>それはないです。実際、ロアとアルクが接触したのって血を吸われた時だけですから。
―――え、じゃあロアはずうううううっと陰から見つめていただけですか?ナイトストーカーですか?
きのこ>城の中庭でアルクが初めての吸血衝動に苦しんでいる時、うしろからそっと忍び寄って「苦しいのですか?」と甘い言葉でだまくらかして、アルクに血を吸われます。ロア、その時点で即死です。以後、蘇生した後はアルクから離れて、トドメを刺される時だけ対面しますが、そのときもお互い一切会話はなかったです。
武内>そうか…がっかり…
きのこ>ロアがストーカーじみた行為ができる人だったら、そもそもあのような悲劇はおきなかったです。
―――でもロアの視点で見ると結構ろまんちっくかも知れませんね
武内>でも、ヤツは最後まで自分の気持ちに気がついてなかったみたいだし…ロマンはあるけど、ドラマとしては薄いかなぁと。
きのこ>武内くん>えー? 一瞬だけ、なのに永遠の妄執になる、なんて最高にロマンティックだと思うよー。
―――この蛇にロマンは不要!ロマンキャンセル!って感じですかね。
きのこ>俺は拳王! 愛などいらぬ!

―――では次。アルクェイドって基本的に外人体型なんですよね、背は高い方ですか?
きのこ>女性キャラの中では一番高いと思うけど……
―――志貴ってわりと小柄な方なのでは。それでアルクがパンプスはいてると…
武内>志貴と同じ位、という感じかな
きのこ>そうかも。イメージ的に志貴は暗殺者だからなあ。あんまり背が高いと忍べない。
武内>シエルと秋葉がついで、ひすこはは、志貴より頭一つ分くらい低い
きのこ>うん、賛成。
武内>さつきは、秋葉と翡翠の中間ぐらい?アキラもそんなものかな
―――なるほど。じゃあスタイル的には?月姫最胸のキャラはシエル先輩という噂が…
きのこ>カレーパンが三つほど入ってます。
―――ああ、直死の魔眼にかかればカレーパンが食べられるわけですね
武内>オレとしては、アルクが一番グラマだーだと思ってます。
―――では一番アレなヒロインは秋葉でよろしいですか?
武内>秋葉はAカップ。ヒスコハはCカップ。シエル、アルクはEカップ。シエルはチャームポイントなんつうか、むしろお尻(笑)
きのこ>またもや賛成。つーか、さすがヒロインズのスリーサイズを全て支配する漢。……シエル先輩はおしりかあ……
武内>…安産型という意味ね
きのこ>あ、そうなると月姫のヒロインってみんなチャームポイント決まってるんだ。
武内>お尻というか、腰!「くぅ〜良いケツしてるなぁっ」て感じ
きのこ>……やば、ますますツボかも。はい、きのこの中で先輩の株が急上昇中です。
―――事ある毎にアルクから「やーい、ケツデカ女〜」と罵られてるんですかね
武内>それだ!(笑)
きのこ>……ああ、ますますヒロインの関係が殺伐となっていく……
―――あ、今話しにも出ましたけど、そもそも二人の仲があそこまで悪いのには何か過去が?殺された件はある意味仕方ないと思うんですけど…
きのこ>いやもう、インスピレーションで。コブラとマングース。まあ、お互い殺しあって、そりゃあ凄まじい殺し合いになったからってのもあるんですけど。

―――えー、「私お金持ちなのよ」という発言ありましたが、そもそも財源はどのへんから…
きのこ>アルクさんは金もってるんです。マネーじゃなくてゴールド。
―――ひょっとして空想具現化の賜物?!
きのこ>いんや、本物の金。魔術師協会には「人外」専門の換金屋がいます。その換金屋さん、アルクのファンらしいのでいつも金持ち。
武内>身なりは貧しいですが、無頓着?下着はシルクか?ていうか、下着はしてるのか?
―――ののののーぱーん?!
きのこ>下着は……してない、みたい。服装は無頓着みたいですけど、これからは志貴を喜ばせるために変わっていくでしょう。
武内>パンツははいてます。といちおうフォロー
きのこ>あ、そうなん?
―――ひもパンとか、穴あきとか…
きのこ>いや、そのあたりの話は実に楽しいんだけど、次の質問いこう(笑)

―――じゃあ最後の質問になります。ぶっちゃけた話、アルクェイドはどのくらい「強い」んですか?たとえば、空想具現化能力とはどんなレベルの事まで可能になるんでしょう?
きのこ>アルクだったら、リミッター解除すれば山奥に1つの街を作り上げる事ぐらいできます。ただ、人の手が入りすぎている現代の街では、まず壊してから作る、という事になるので長い時間が必要となり、その間に教会にかぎつけられて「ストップ!」と戦争になりますねー。基本的に空想具現化だけでは人間に手を加える事は極めて困難です。他の動物なら、できちやうみたい。まあ、ぶっちゃけていっちやうと、アルクってかみさまみたいです。肉をもった精霊だから。
―――それは、真祖全てに言える事ですか?
きのこ>真祖といってもピンからキリまでいるので。アルクエイドは一番初めの真祖と同位の結晶だから、次元が違います。とまあ、こんなところ。ちなみにマーブル・ファンタズム、という呼称のマーブル、はダンゴ現象から由来しているみたいです。確率論、みたいな。
―――なるほど。分かったような分からな(略)ためになるお話をありがとうございました(笑)
きのこ>うん。そのあたり、月姫2でしくよろ!(……いいんかなあ)
―――みなさんにはアルクェイドのミリキがひしひしと伝わったかと思います(笑)
きのこ>伝わったのかなあ……ちょっち不安。
武内>以上でしょうか?
―――はい、では次回のテーマは?
きのこ>次回は最下位確定、と誉れの高いシエル先輩です。
―――先輩ファンは要チェキ!ですね
きのこ>はい。あの人、色々と話のある人ですから。カレーとか。
―――制服黄色いのはキレンジャーを意識しているんですか?とか。
きのこ>それでは、そろそろ退室します。そろそろ落ちていいよねー?
武内>はいはい。それではオヤスミナサイ
―――じゃあ本日はこの辺で…
きのこ>じゃあね〜。
武内>お疲れさまでした。お休みなさい
―――それではみなさん、さよ―――なら―――!
(2001年1月27日午前2時04分終了)



さて、いかがだったでしょうか今回の座談会。
座談会というよりは、インタビュー仕立てにして色々な裏設定などを聞き出そう、という趣向だったのですが
どうもその辺イマヒトツだったみたいです。
チャットは2時間におよび、本文中ではページの都合と、「みっともないから(笑)」という理由で割愛してしまいましたが
武内奈須両名の脱線ぶりはすさまじく(笑)用意した質問も結局全て消化しきれずに終わってしまいました。
最後の方がちょっと急ぎ足になってるのも時間がおしてる所為なんですね。
特に質問が設定的なものに集中してしまい、絵関係について武内にあまり話を聞けなかったのが不覚でした。
次回ではもそっとその辺を突っ込んで聞いてみたいかと思います。
乞うご期待!
(聞き手・OKSG)

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