■同人活動の終了と、今後の活動について■


 同人ソフトサークルTYPE-MOONは、4月29日に開催されるコミックレヴォリューション33での「月姫」シリーズ廉価版「月箱」の頒布を最後に同人としての活動を終了し、活動の場を商業へと移行しようと考えております。
 現在製作中のヴィジュアルノベル「Fate/stay night」については、詳細が決まり次第、各種媒体でお知らせ出来ると思います。

 商業化については、単純に「する」か「しない」かという問題から、するならば時期はどうするのか等含め、「歌月十夜」の頒布前後から直面していた問題でした。
 今回の決断要因の一つとして、「Fate」という作品が、自分達の考える同人という規模を超えてしまったことがあります。
 歌月からあと、TYPE-MOONを応援し支えてくれているファンの皆さんに、自分達は何を貰い、何を目指し、何を返せばよいのか、考えてきました。
 自分達が面白いと思えるものを全力で作ることがその答えと信じ、ひたすら製作に専念してきましたが、今の自分達が目指すべき作品は多くの期待を背負っている分、どうしても規模が大きくなってしまいます。
 もはや自分と奈須の二人だけが必死になれば良いというものではなく、スタッフは勿論、沢山の方々のお力添えをなくして「Fate」という作品を目指すべきクオリティで完成させることは出来ません。
「Fate」の製作には月姫の時からは考えられないぐらい多くの方々が協力してくれています。作品に対する「想い」や「熱量」も段違いです。もはやこのタイミングを逸してしまっては、自分達の中でも「趣味」と「仕事」の区別を付けられなくなってしまうとも思うのです。

 インタビューなどでも答えていますが、TYPE-MOONは月姫を作るためだけに結成されたサークルでした。思えばはじめから「作品」ありきだったわけで、そんな自分達が、その作品に押される形で商業化というのは、とても“らしい”ことだとも感じております。

 商業化については、まだ決意の段階で、実際には何も決まっておりません。
 商業云々の前にまずは同人という活動場所に感謝と敬意をこめ、ちゃんとした形を残して締めくくらねばならないと思い、コミックレヴォリューション参加を決めました。「月箱」は締めくくりとして納得の行く物になったと思います。「月姫」にはまだ遣り残したことがあるといえばあるのですが、それはまた別の機会にやり遂げたいと思います。

 今回の自分達の決断について、皆様の感じ方はそれぞれあると思います。
 自分達もまた、これが本当に正しい選択なのか、まだ分かりません。
 ただ、Fateを遊んでいただいた時にきっと納得して頂けると信じておりますし、そのために一層の努力と、より強い責任と高い目標を持って製作に臨んでいきたいと思います。
 今までのTYPE-MOONへの応援、本当にありがとうございました。皆さんが応援してくれたから頑張ってこれましたし、次の目標を見つけることも出来ました。
 そしてこれからも、どうかよろしくお願い致します。
 いよいよ自分達がお返しをする番です。ご期待ください。                


2003年4月2日
TYPE-MOON 代表 武内崇

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