竹箒日記 : 2005/11


2005/11/6 : ああああああ(きのこ)
ゴールしました。

一年ぶりに、何の憂いもなく眠れます。

起きたら何しよう……あまりにも積み重なった娯楽の山に愕然とする小心者。
と、とりあえず二時間以上ゲームしていいんだよな……!?


2005/11/7 : ちょっと裏話。(きのこ)
 なんか精神的に開放されたんで、元気があるうちに裏話を一つ。
 余裕があったら第二、第三と続けたいがやっぱりこれでおしまいにしたい。
 では。


 後日談。について。

武「なあ奈須ー、最後にげっちゃ書いてー」
奈「いいよー、まかせてー」

 ―――ホロウのアルファ版テスト、七日前の夜の出来事である。


 フィクションですが、だいたいこんな感じです。
 もともとのファイル名は「4.5後日談」でした。分かりづらいっつーかプレイヤーが混乱するから後日談にしたら、余計混乱させてしまったようです。
 アレがどんな位置付けは元々のファイル名から察してください。
 
 つーかぁ。ありゃあカレンとバゼットのベンチマークみたいなものなのだわ。













あ、バゼットと言えば没になったネタその一・ATM編。
(ネタバレ含む。分かる人だけ分かってください)

〜あらすじ〜
 毎夜敵マスター捜しに余念のないバゼット嬢。
 格闘・魔術以外だけでなく資金面も充実していた彼女だが、思わぬところに落とし穴が。
 そう。闇に隠れて生きる彼女には、両替する手段がないのであった……!

「そういう訳ですので、現地調達ら迫られました。日本では二十四時間営業している無人のキャッシュサービスがあるという話ですが……」
「そりゃあるけどさ。……なに、口座持ってんのマスター?」
「ありません。私は現金主義ですから。そもそも、ああいった細かい操作で金銭のやりとりをするのはどうかと思います。ボタン形式ならまだいいのですが、画面に触れて操作するタイプは、どうも軟弱と言うか……」
「……………ああ。壊しちゃうワケね、ピキパキっと」
 不器用なマスターの将来がホントに心配なAであった。
「いいや。で? その苦手なのをどうしようって言うワケ?」
「貴方の魔術で操作をしてください。単純な機械ならトレースできる、と言っていたでしょう?」
「ああ、そういうコト。オッケー、金引き出すだけなら何とかなるよ。そこで待っててくれ」
 十秒。
 二十秒。
 三十秒。
 四じゅ―――
「うわあああ!!!??? ななな何してんだアンタ!?」
「回収します。援護を」
 ピーポーピーポー……。


 なんてネタはどうだろうか、とドクと話し合うマスターアップ一ヶ月前。
 このネタは汎用性が高すぎて、お昼のコンビニのレジ待ちで革手袋を嵌めるバゼット、パチンコの玉数査定で三万円分はいくと思ったのに二万円代からちっとも進まなくて革手袋を嵌めるバゼット、自動改札でバゼット、帰省ラッシュでバゼット、壁サークルでバゼット等々、様々なダメットを生んだのであった。


2005/11/10 : タイガー同情。(きのこ)
なんか風邪ひいたみたい。
昨日のSAW2がまずかったのか。精神的に。


以下、ネタバレ風味。









裏話そのに。
今回なにが足りないかって言うとタイガー道場なワケですが。
当初、イクリプスに入れる予定でした。
でも虎ぶるモードがあるからもう道場はいいか、とか、100%になった時にイクリプスのマップ画面がスクロールして……とか、色々ネタはあったのですが、残念ながら没になりました。

まあ、最大の原因は仕事いっぱいいっぱいで「後日談。」でしか裏マップに参加できなかった自分にあるのだった……!


んー、前回のATM編とかウィンチェスター事件とか痛々しすぎるマジルカルビー第一話とかブチ込みたかったけど、ムーンスタッフにそんな体力は残されていなかったのです。
でも極限まで予定されていなかった慎二ルートは是が非でも書きあげた。アレ本2でもこぼしてますが、ありゃあワタクシの今年度最高の仕事ですよ。つーかとしぼうさんの絵にひきずられてああなった。原画はテキストを助けるのです。


ウィンチェスター事件が何なのかは、機会を見てネタバラシしたい。
あと花札アーケードモードで臓硯&真アサとかB&L、B&Aといった隠しキャラを追加したい。いつか。いつだ。だめか。




2005/11/11 : 裏話の途中ですが(きのこ)

 毎朝七時に起きて、出社までの二時間をチマチマと積みげー崩しの毎日です。
 で。今朝「あやかしびと」終了。

 一言、血が滾った。このスタッフの次回作が楽しみであり、恐ろしい。万が一にも斬り合う羽目に陥ったのなら、さて、いかな代償を覚悟して戦場に臨むべきか。
 片目を喰らい、片腕を散らし、満身創痍にて決着すべし―――


 なとど血生臭いコトをのたまう程、我の伝奇心臓活性化、伝奇血液が全身に行き渡ったワケですよ?
 ワシャあ単純な人間なんで、面白いものは面白いとしか言えぬし、そもそも娯楽は娯楽である時点で優越などなく、いかに遊び手を満足させてくれたかで価値は変わるもんだとしか思えない。
 コストパフォーマンスやらクオリティやらも当然満足する為の基準に入るが、そのあたりがいたらなくても凌駕する点があればそんなものはどーでもいいのだ。

 技術が進歩してもいまだ輝き続ける諸々の名機があるように。
 核になる部分が頑強であるのなら、流れゆく月日にも耐えうるだろう。



 以下、ネタバレ風味感想。

                           ◇◇◇

 滅びるものと滅ぼされるものは攻守を入れ替えながら進んでいく。
 たかだか百年前。妖から取るに足らぬと捨てられたちっぽけな“彼”は、人間の発展と共に、やがて至高の幻想と対するに至った。
 これは人間と幻想の物語だ。いつか捨て去られるものと、いつか捨て去られたものが織りなす、平凡な願いをもって生きようとする善良な誰かの物語。

                           ◇◇◇

 さて。
「あやかしびと」はそれ全体がとにかく「面白い者を作ろう」という熱のこもった快作だった。この面白い、という基準は手にとってくれたユーザーに対して考え尽くされたものではあるが、それより一歩手前の位置に「我々はこのゲームを面白いと信じている。多少味付けが独特で脂身が多いけど、それでも、我々は間違っていない」という信念に満ちている。
 それがたまらなく気持ち良かった。はじめはそんな熱にうかされてプレイしていた、というのが正直なところ。しかし物語が進むにつれ「熱」より「内容」に惹かれ、最終局面において細かい不満を吹き飛ばすほどの「本命」を魅せていただいた。素晴らしい。あれこそ映画にも小説にも漫画にもできない、ノベルゲームならではの境地。ラストの一大決戦は表現、手法、内容、共に必見です。
 もちろん魅力はそれだけでなく、一貫して描かれる主人公の在り方、善性と悪性の入り交じった群像劇、各ヒロインルート毎に工夫を凝らした展開、そしてぶっとく真ん中に差し込まれたエンタメ節。
 よーするにやって損のないゲームであり、充実したプレイ時間をありがとう! こーゆーのに出会うからエロゲーはやめられないって言うか、次のご馳走を待ち続けてしまうのです。

「あやかしびと」はそんな18禁伝奇ゲーム。僕(たち)が大好きな、とびっきりジャンクで濃口で、小難しい理論なんざうっちゃって浪漫と活劇と青春をお腹いっぱいにさせてくれる正しい娯楽。
 そう、オレたちゃエロゲーマー! いつでも腹ぺこ、ご馳走を次から次へと何の余韻もなく平らげる一介のこまったちゃんなのだった。いつかこの感動も薄れるけど、「あやかしびと」がどんな味だったかだけは、エロゲーマーであり続けるかぎり覚えているよ。

 さあ、今日も新しい娯楽を食い散らかそうぜ?





 追伸.
 ところで。一番可愛いのは会長だけど、一番美人なのは伊緒だと思うんだ。




2005/11/17 : 片翼でも鳥で在り続けた彼の話。(きのこ)
 前略。自分でも、こういうのはどうかと思うんだけど若気のいたりと笑ってほしい。
 感想文はよそでやれって話ですよ。

 さて。とりあえず二本目クリア。
「SAWN SONG」(FlyingShine) について。

 と。その前に鬱ゲーとかエログロがペケで、文字フォントが小さいと目が疲れるとか画面いっぱいに文字が出るとアレルギーがでる方はここでストップ。
 絶望的な状況で絶望的に人々が争って、やっぱり絶望的に人々が死んでいく話がダメな人もここでストップ。
 もちっと耐性つけてから再チャレンジだ。


 では、今朝クリアして眠ろうにも悪夢にうなされて三時間ぐらいしか眠れなかった男のタワゴトです。

 美しい。面白い、ではなく美しい。
 シナリオ、テキスト、グラフィック、音楽。全てにおいて非の打ち所がない、完成されたパッケージング。これだけの調和を保ったものは数える程度しか知らない。そしてあまりにも孤独だ。クリアした後、このゲームそのものが湖面に浮かぶ一羽の白鳥のような気がして、色々と欝入ってしまった。

 メインスタッフは間違いなく「CARNIVAL」を作った人たちで、「CARNIVAL」を楽しめた人なら今回も居心地良くて心が灰色になるであろう時間を手に入れられます。あ、いや、「CARNIVAL」よりさらに複数ヒロイン攻略系のノベルから離れてしまっているんで、疲れた体でプレイするのはよろしくない。
 娯楽のカタチは様々だ。従来のゲームがひたすら与えてくれる人工楽園としたら、これはひたすら奪われる娯楽だと思う。本来感情移入するであろう人々は主役である事を奪われている。作中の女性が語るように、災厄後に生きる人間ではなく、災厄の後にまだ生きていた人間にすぎない。
 この極限状態において『願い』に辿り着くのは、初めから到達している彼だけだ。そこに、凡夫である我々が願うような人間的成長も物語的なカタルシスも存在しない。なにしろ彼はゲーム開始時、まだ平和だった頃からその境地に立っている。
 語られるのは人間の『成長』ではなく人間性の『確認』。
 司はこのように生きてきた。包帯の男はあのように生きるしかなかった。僕たちも、そのように生きるだろう。
 包帯の彼に憎しみはない。彼の凡庸なパーソナルなどに、そもそも僕らは興味を持たない。プレイ中にあんなにも吐き気をもよおしたのは彼にではなく彼の弱さに対してだ。
 この苦み。この痛み。まさに「正しい18禁ゲーム」。
 年がら年中この手のものを食べるのは流石に勘弁ですが、年に一本か二本、甘いケーキとかステーキの合間に、苦みほとばしる年代物のワインが欲しいのです。


 以下、蒼天航路十二巻風に。

 敗北し捕らえられた軍師茸宮。涙する茸宮は曹操に絶問する。

「んー、なんかよく分かんないけど18禁ゲームには守るべき三つの条件っつーか矜恃があると思うんだけど、言ってみれー」

「一つ、絶望を嗤いながら希望を嘲笑わないもの、
 一つ、娯楽性を求めながら大衆性を切り捨てるもの、
 一つ、プレイヤーに奉仕しながらユーザーを省みぬもの」

 茸宮、ハタと涙を止めて顔を上げる。

「―――完璧だ」

 グッバイ茸宮。……とまあ、そんな気分になったワケです。

                              ◇

 ああ、でも思うんだ。
 僕はつまらない事情で遅刻してしまって、このゲームをこんな時期にプレイする事になったけど。
 どうせならもう一ヶ月ばかり足を緩ませて、12月24日の夜にプレイしていたのなら、それは印象に残るクリスマスイブになっただろうと。

 まあ、良きにしろ悪きにしろさ。


2005/11/17 : 裏話そのさん。(きのこ)
 トップをねらえ2の四巻とアンダーザローズ三巻の面白さに死ぬ。
 うかうかしてたらもう十一月も中盤です。
 昼休みにゲーム屋へGO。店頭で餓狼伝か男塾かを悩む。
 結局、タンバと巨凶というキャッチコピーに負けて餓狼伝に。
 えー、タイプムーンは今週まるまるスタッフ休暇なワケですがなんで僕事務所にいるんだろうおっかしいなあ。こんなんじゃ積みゲー七人衆を半分もやっつけられないですよ。
(現在三体撃破。あやかしびと、ワンダ、スワン。さて、次なる相手は―――……って、もう休み終わりですかそうですか)



 それじゃちょっと裏話。以下ネタバレ風味。今回は小ネタを集めた。

 ホロウにおける「決戦」を最後まで見て勘の良い人なら気が付いたと思うのですが、ステイナイトにおけるOPのモノローグって士郎じゃなくてあいつのものなのですよ。
 いつか誰かが気が付くかなー、と思ったらスタッフ内でも「あ、そうなんすか」と軽く流されたので、あー、やっぱり分からないよなそんなの、と思い今回釈明の機会をゲットしました。

 ウインチェスター事件は序盤のミスリード用に作られたエピソードで、なぜ何でもアリの状況なのか、という理由の着眼点をまずはこっちに向けさせておいて……というギミックでした。
 余裕があったらイクリプスに出現し、宝石剣が爆発して色んな童話・寓話と融け合ったイリヤ城の中心から脱出する、というアリスインワンダーランド&キューブみたいな話をやる予定だったのです。(まるっきりフォレストだな!)
 もちろんエロで。これは男女一組バカップルになりつつ童話をなぞらえる事で脱出できる、というルールを看破するお嬢様がた。脱出(カップル成立)できるのは一組だけ。生還を望むのなら、汝、自らの誇りをかけて最愛を証明せよ―――みたいな。
 士郎だけがルールに気付かなくて、士郎は一生懸命まじめにキューブ(タイムリーに言うならSAW2か)ごっこするのですが、ルールに気付いたお嬢様がたは各々黙ったままで恋の鞘当てをするのは楽しそうだなあ、と。そーゆー限定条件なら真面目なキャラでも面白いHシーンが展開できると野望に燃えたものですが、それはすでに一本のゲームではないのか、と気が付いてお蔵入りに。
 当然没になったのですが、せめてその芸風の一環として『間桐家の人々』ではっちゃけてみました。せっかく背景CGが山ほどあるんだから、ビジュアルノベルならではの異次元世界(切り貼りしたい放題サ)をやりたかったんでしょうね。スタッフの労力も考えず。ごめんBLACKさん、もう追加シナリオとか言わないよ!
 あ、名前の由来はあのウインチェスター邸からです。興味ある人は調べてみれば、「ああ、こういう舞台の脱出ものをしたかったのね」と一発で分かります。


 あとわくわくざぶーんは出来上がったものをヤツが強引に買い取ったんだよ。


2005/11/26 : 悪魔の所在(きのこ)
                         ◇

「SAWN SONG」じゃなくて「SWAN SONG」です。ごめんなさいでした。愛したものをナイフで斬りつけるが如き愚行でした。日記の直し方をそろそろ本気で教えてもらいます。

                         ◇

 週末に地元のツレとカラオケに行く。実に一年ぶり。そしてPS2の餓狼伝で対戦する。漫画版しか知らないツレと小説版しか知らないツレ。認識の違いが面白かったですよ。(ゲームそのものも、妙に凝った内容です。K−1系の格闘ゲームの中じゃAランクの出来じゃないだろーか。あと脱魂KOサイコー。精神減らしてハイキックでトドメを刺せ……!)

 一方、一人用ゲームの話。
 蒼月くんにそそのかされて買ったゴッドオブウォー(PS2)が面白すぎた。
 キャリバーそっちのけでひたすら刃物を振り回した一週間。仕事あけの頭には最高のご馳走でした。デビルメイクライ系が好きな貴方、お買い得ですぜ。……いやまあ、主人公のルックスは日本の売れ線とは真逆なのですが、あそこまで徹底しているといっそすがすがしい。さすがは洋ゲー。ひそかにプリンスオブペルシャの続編も無闇に面白いですよ。(こちらは少佐とバトーさんが殺し合いしつつも最後は仲良くなる話。どっちも船上から始まるんだよなあ……)


 11月28日に出る雑誌に原稿載っけました。ここでその手の報告をするのはルール違反なのですが、一つ注意点があるので述べてみたり。ありゃ完全な続編なので、前回のを知らない人は自然にスルーした方が吉。大丈夫、他の作家人が豪華すぎるので菌糸類の一人や二人切り捨てても(雑誌的に)何ら問題ありません!


 ホロウネタバレ。今回も小ネタ。



「−アトゴウラ−」のランサー兄貴の血まみれ姿ですが、「どうしてセイバーとは傷痕が違うの?」という質問にお答えします。
 唐突に実践してみましょう。木綿豆腐と爪楊枝を用意してください。
 フラガラックは剣の刀身から放たれるレーザー(ビッグバイパーのレーザーと思いねえ)です。これを爪楊枝に例えます。んじゃ、そっそくお豆腐に高速で撃ち込んでみましょう。ぷつっと穴が開きましたね?(※実践できません)
 これがセイバー戦です。きちんとフラガラックが「通り抜けた」場合なワケです。
 では続いて、爪楊枝をお豆腐に刺した状態で、おもむろにジャンプしたり倒れたりしてみましょう。お豆腐は無惨な姿をさらす筈です。
 これがランサー戦です。フラガラックが「刺さった瞬間」にバゼットが破れたので、フラガラックの軌道が斜め上にはね上がってしまったワケです。
(ゲーム中でフラガラック本体が跳ね上がっているのはこの為)

 んー、やっぱ豆腐は木綿なのねー。




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