竹箒日記 : 2008/09


2008/9/1 : 無題。(きのこ)

ダークナイトの出来にうっとりしすぎた。きのこです。
サクッと終わるばすの仕事がどうにも組みあがらないクセに、なつゲーとしてバイオニックコマンドーに手を出したらこっちも出来が良くてうっとりしている始末。

俺、この仕事が終わったらバイオニックのトレーニングモードにトライするんだ……(死亡フラグ)







あと例のゲームがでましたね。
自分の担当は前回も今回も話のタイトルを(基本)SF小説の題名からいただいたヤツです。
ホントはアヴェンジャーやりたかったんだけど、新キャラは原作者が担当するのが筋だと思った次第。
……まあ、アレがまったくの新キャラかどうかは意見が分かれますが。
つまり収録の時に無印版をほぼコンプしていたのはマジカル○○ンの中の人なのです。
それだけを言いたかった今日の日記なのでした。







2008/9/9 : 俺がガンダムだ。たぶん。(きのこ)

さて。しつこく
「俺がガンダムだ」
「むしろガンダムだ」
「実はガンダムよりティエレンのが好きだ」
「プラモデルも買った。みてくれ、この格好悪さを」(ファミレスでおもむろに組み立てたキットを披露するG氏)
と知り合いのプラモデラー(兼業でライターもやっている。最近はアニメ脚本にうつつをぬかしてやがる。ブラスの11、12話は神がかってる)が薦めてきたり、
中坊の頃からがゆんファンだった自分的に外せないタイトルだったり、
そういえばここ数年ガンダムまったく観てないな、という事に気付いたりで、
たまっていた「ガンダム00」を一気観しました。


結論。
いや、これさりげに傑作ですよね……?



初代ガンダムは第二次大戦をモデルにしている(……と、勝手に思っている)ように、
00は現代の我々が不安に抱く未来、視聴者にとって無視できないリアル(バーチャルなものだとしても)な戦争を描いています。
時代・流行の違いが作品のテーマ・カラーの違いになってますが、これは間違いなく正しい「ガンダム」なんじゃないかと。
(……とりあえず当面の相手が「世界情勢」なので煮え切らない展開が続くのは仕方のないこと。むしろその煮えきらなさこそ楽しむべき。そんな放置プレイ……明確な敵、明確な出口が見えない前半を乗り切ったあとだからこそ、溜めに溜めたエンタメパワーが炸裂する後半のカタルシスはたまらないのです)


戦争、軍隊ものをアニメにしようという段階で生じる様々な嘘。闘争への嫌悪、憧れ、英雄幻想。
それらを娯楽作品として作ろうとした段階で、視聴者も作り手も、ある種の自己嫌悪を抱かずにはいられません。本来凄惨で悲劇しか生まない現実を、虚構として楽しんでいいのか、これを作っていいのかと。
そんなジレンマを感じさせながらも、00は00なりに戦争のあり方を示しています。

(マクロな話とミクロな話が同時進行なのもその為で、我が愛しのバカップル・ルイスと沙慈が序盤から丁寧に描かれているのは、まったく関係のない善良な人々(無関心な我々)が、無関係なまま争いに飲みこまれる現実を描く為ですし。悲しいかな、名前のないキャラクターが戦争に巻き込まれても共感できない僕たちにとって、彼らは必要不可欠な“無価値なキャラ”なのだと思う。そんな人物の名前の響きが「些事」ってのは痛烈な皮肉ですけどね!)

そんな感じで、設定、プロット、キャラクターたちのあり方。その全てがとにかく真摯(いや説得力と言うべきか)で好感が持てるのです。
アニメや漫画、小説ははじめから虚構だけど、それでも、虚構の中に精一杯の真実を持たせようという強い意志を感じたというか……それでいて物語として面白いんだから文句のつけどころがない。
……まあ、300年続いているIRAとか兵器レベルとか、事情通からしたらツッコミどころもあるんだろうけど、ギリギリのラインでフィクションな世界情勢とエンターテイメントを両立させていると思います。さりげに、これって凄い事なんだぜ?



以上のキーワードになんかググッときたのなら、今の内に一期を見ておいて損はなしです。
……とは言うものの、確かにスロースターターなのも否定できないので、序盤はアレだ、週間・乙女座ポエムなグラハムさんとか、セル画がガシガシ動くロボとか、作中の立場も出番も人気もないマリナ姫(赤貧)とか、そんな姫さまを七輪であぶるようなドS(シーリンさん)の眼差しにゾクゾクしたりするといい。
(あと貧乏姫と刹那の出会いはもう電波通りこして奇跡。なんでそこで自分から機密漏らすんだ!と爆笑したものですが、アレは刹那は刹那なりに、無意識に救いを求めていたからこその行為なんだと分かりますよ。ラストあたりで)
そして十五話からの急転換にワクワクし、「そ、その引きは卑怯すぎる!あとグラハムさん自重、なに被ってんすか、コスプレっすかwww」と叫ばずにはいられない二期の予告で悶絶してほしい。
自分は今から二期が楽しみで仕方がないです。にわかファンですみません。


んじゃ、感想も口にしたのでいつも通りダメきのこな発言をば。

キャラ的に言うとロックオンが人格的にも立場的にもNo・1。
はじめ「名前がロックオンってwww どんだけwww」と指さしていましたが、いまなら……あたし、ロックオンに抱かれてもいいわ……! ライバル多そうですけどね。

一方、鋭い目つきの少年が好きなダメ人間にとって刹那はご馳走キャラ……なんだけど……出番……が……でもさあ、少年兵が信仰の絶望の果てにガンダムに神を見るなんて、救いのない壊れ方だと思わない? 紛争によって人間性を剥奪されたものが、兵器に信じようとした神を見る……未成熟で、無知で、狭い世界しか知らなかったが故に、少年はそのあまりにも歪な救いに手を伸ばし、破綻する。その破綻、矛盾と対決し、少年から男になる話がガンダム00の一期の刹那なのです。や、まだいくつか勘違いしてるっぽいのがヤツらしくて可愛いのですが! なんか刹那は上目遣いで黙っているトコロが一番いいよね!

あとこのままだと誤解されかねないので女の子の話。
女性キャラのNo・1は、あれだ。俺はがゆんフェチなんで、がゆんの女の子ならなんでもいける口なんだぜ? でもあえて言うならクリス。あれこそ正統高河ヒロイン。でも二期でティエリアが女の子化するならそれはそれでいつでも覚悟完了です。そうですよね磨伸先生!


                    ◇◆◇

ところで私信。
9月10〜9月13日まで山にこもりますので、メール対応できません。ご了承くださいませ。








2008/9/15 : 今日から書店頒布開始です。(きのこ)
空の境界 未来福音 -the Garden of Sinners recalled out summer -

今日から同人ショップさんで書店頒布開始です。
八番目のロストトラック。コミックと小説で綴る、ひと夏の小話をお楽しみくださいませ。

そして遂にチュンソフトさんの新作「428」での、TM担当部分の情報がオープンになりました。
「魔法使いの夜」制作に入る前に仕込んだ仕事では、これが最後の隠し球となります。
“隠し要素としてTMさんのパートをいれてみないか? 街における青虫編みたいな”
と声をかけていただいて、サウンドノベルへのご恩返しとして尽力させていただきました。あくまでオマケみたいなものなので、するっと気軽に考えていただければ幸いかと。
自分も、一サウンドノベルファンとして発売を楽しみにしています。


さて。
ここから未来福音のネタバレというか、小話を一つ。
DDDの読者さん的には「ん?」と思うギミックがありましたが、DDDと空の境界はまったく繋がっておりません。
あくまで、DDDでいうところの「相手を自分の脳に閉じこめる」という悪魔憑きを、空の境界のルールに落とし込むとどうなるか……という比較なのでした。
相手を取り込むって、つまりこういうコトだよね、という。


そして来週、いよいよメルブラAA稼働!
何人かのシナリオを重ねていかないと話の全体像が見えない作りになっていますが、まあ、やってるコトはいつもの型月伝奇です。
シリアス八割、サービス(コメディ)二割の「メルティブラッド1.5」をお楽しみください。シオン編、これにて完結でございます。





2008/9/20 : 無題。(きのこ)
気が付いたら公開が終わっていた「The Mist」がDVDで出ていたので観た。


……一時間ばかり立ち直れなかった……


スティーブン・キングの「霧」を映画化したものです。
アメリカの片田舎の町に正体不明の霧が発生し、スーパーマーケットに立てこもる事になった、どこにでもいる人々の物語。
極限状態に陥った人々がどのように軋んでいくのか、なんてフレーズが気になる人は見てみるべし。
(ホラーというよりサスペンス、パニックムービーなのでぜんぜんグロくないよ! キングコングの虫の谷の方がグロいぐらいです)

賛否両論あるようですが、個人的にオリジナル展開のラスト10分は圧巻。
あんなにも静かで、惨く、胸を打ち、行き場のないEDはそうお目にかかれない。
自分はしばらく心の焦点が現実に戻ってきませんでした。







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