2021/5/13 : 円卓を代表して、感謝を。(きのこ) |
お久しぶりです。 『劇場版キャメロット 後編』の試写会にいってきました。 大傑作でした。 『キャメロット 前編』はかぎられた尺の中で 「FGOとして最低限説明しないといけない要素」を丁寧にやってくれた反面、勢いと外連味が抑えられていたり、 そもそもコロナ渦の中で制作スケジュールがたいへんな事になってしまった……(それでも監督含めスタッフさんはギリギリまで踏ん張ってくれた)……という事もあり、ギア的にはセカンドぐらいに留まっていたと思います。 そのバトンを受けての『キャメロット 後編』は、まさに鬼気迫る内容でした。 「前編で物語の基礎説明はした。後はもうひたすら、みんなが見たいシーンをノンストップで展開する」 といわんばかりの90分。 しかもそれがほんと、あらゆるシーンがハイセンス&超クオリティ……! ゲームをプレイしたユーザーの誰もが思う「このシーンが見たい」を「その百倍すごいシーン」として見せてくれる。 物語の大胆なカッティングに最初は戸惑うものの、「ここからここまでの出来事は想像できるはず。だからカットした。その分すごいものを見せる」という熱意と野心を、開始5分で叩きつけられます。 はじまりからして「見たかった、このシーン、こういうふうに見たかった!」のオンパレードなんですけど、真に恐ろしいのは後半60分の聖都大戦から。 顔がいい。ひたすら顔がいいアイツら。 (どのキャラもオリジナルデザインの絵師さんの絵柄の再現度高いんだけど、とくにトリスタンはちょっとおかしいレベル。あの繊細で難しい森井キャラをよくもあそこまで……) その上で、息つく間もない超絶シーンのオンパレード。 そこまでやりたい放題やっておきながら、メインのシナリオ軸はぶれておらず、どこまでもド派手で、ひたすらに格調高い。 『見所ありすぎて5分ごとにワクワクがやってくるテーマパーク状態』 が素直な感想なんですが、特に白眉なのがラストの獅子王戦でした。 獅子王との問答と対決は 「ゲーム用にチューニングしたシナリオだけど、これどうやれば映像映えするんだろう?」 と脚本の段階で正直お手上げ状態でしたが、すばらしい映像力と演出で『ゲームプレイ時の興奮』が具現化されていました。 いえ、ある意味ゲーム以上。 stay nightからアルトリアに付き合っている自分にとって劇場版の獅子王戦は……「美しいものをみた」としか言えないくらい。 ここからネタバレ……というか、観た人にしか分からないお話になりますが、 ラスト獅子王戦、脚本には1行も「このシーンはこういう絵になる」とは書かれていません。 なのでラストの美しさはすべて監督(あのシーンのコンテも監督だ!)作画スタッフさんたちによる迫真のものです。あの発想力とそれを実現していしまうセンスよ。監督の頭おかしいぞアレ。もっとやれ! 脚本に監督の名前があるのも納得です。 『後編』は脚本をたたき台にして、監督がコンテから編集段階でめっちゃ細かく、そして格好よく『一つのドラマ』として再構成しています。 あくまで個人の意見ですが『プレイヤーごとにプレイ体験が異なるゲーム原作を、映像作品として成立させた一つの最適解』と言っていいのではないでしょうか。 映像クオリティも全編通してムラがなく、円卓のバトルはみな凄まじい。 山の翁たちも、ファラオたちも、三蔵ちゃんも、すべてが美しく、しなやかでした。 こんな贅沢な超絶騎士バトルものはこの先そうそう出会えないかもしんない、というくらい。 あと『崩壊していく巨大建築の中でのバトル』が好きな人には「なにこれ……夢かよ……夢みたい……夢とかしか思えない!」ぐらい刺さります。 よくあの設定で30分やろうと思ったな。監督も演出さんたちもバーサーカーなのかな? ……と、興奮に突き動かされて思いの丈をぶつけちまったぜ。 緊急事態宣言で公開劇場が減ってしまいましたが、もよりに劇場があって、 お時間があるのでしたら、是非劇場であの興奮を味わっていただきたい。 「6章よく覚えてないけどなんか楽しかった記憶がある」くらいでもぜんぜんオッケー! だって実装されたの4年以上前だしね、6章! |