2015/5/23 : 最後の星屑(きのこ) |
というワケで#20、お楽しみいただけたでしょうか。 Newtypeのインタビューで「#20はデチューンさせてもらった」と答えましたが、それはこういう事だったのです。 ボクシングで例えるのなら ゲーム版はフルラウンド使って戦いきる判定戦、 アニメ版は1R目で燃え尽きるKO劇、みたいな。 ―――過去を厚く語るのではなく、互いの心境を対比させる事で先に進む。 環境進化とは機能の取捨選択に他ならない。 複数の要素を切り捨てるかわりに一点を突き詰め、最高速を更新する。 映像作品として気持ちのいいものになるよう、文字通り装甲を外しむき出しの軽さでゴール目指してひた走った。 それがアニメ版UBWのアンサーです。 ◆ と。そんな物語の構造のうんちくはどうでもよく。 今回はもっと大事な話があるだろ? そう、破壊力抜群の挿入歌についての話をしようじゃないか! 士郎が××する時に入る挿入歌はOPソング『Brave Shine』同様、Aimerさん側の手によるものです。 その名も『LAST STARDUST』。 実はこの二曲、UBW二期のOP候補としてAimerさん側から届けられたものでした。 どちらもUBWのテーマを押し上げてくれる名曲で、正直、どちらも使いたいとのたうちまわったものです。 結果としてOPにはスピード感が必要だ、という事で『Brave Shine』に軍配があがりましたが、 テーマ性において『LAST STARDUST』は頭一つ飛び抜けたものでした。 「残念だけど、ここは断腸の思いでどちらかを選ぶしか……というか『LAST STARDUST』は桜ルートで使わせてもらえたら嬉しい……というか予約させてくださいネ!」 とAimerさん側に打診した我々。 その三ヶ月後、なぜか『LAST STARDUST』はデモ版よりさらに完成度をあげてきのこの元に届けられたのであった。 奈須「なんで!? いや、メチャクチャ嬉しいけど! これ聴くだけでUBWを味わえると言っても過言じゃないぐらいの名曲になってるけど! なんでこんな手間のかかる事を!?」 三浦監督「あ、それですけど。#20は『LAST STARDUST』で締めくくりたくて挿入歌としてお願いしちゃいました。うまくいくか分からなかったので、奈須さんにはうまくいくまで黙っていました。てへ」 奈須「おま、そういう大事なコトはなあ――― オレなんか気にせず、もっとジャンジャンやりなさいよーーーッ!」 そしてこの最高の結果である。 まさかここまでアニメならではの魅力に満ちたシーンになるとは誰が思おう。 内面世界での決別のシーンで『LAST STARDUST』演出として組み込んだのは三浦監督のアイデアで、 脚本の段階では生まれ得なかったものです。 アニメの『物語作り』はバトンリレーのようなもの。 脚本からコンテに、コンテからさらに演出に渡って、最終的に何倍もいいものになる。 その過程で起きた奇跡の一つが今回の挿入歌なのだと思います。 こんな経緯もあって『Brave Shine』と『LAST STARDUST』は同じ作品の中でその力を分けてくれました。 どちらもフルver.はさらに味わい深いので今回気になった人はどうかシングルに手を出してほしい。ホントいいから。 なに? とはいってもリリース情報がまるでない? そこはきっとソニーミュージックさんの勇気が何とかしてくれると信じて……! ◆ それではTVアニメUBW、残り五話を最後までお楽しみください。 素晴らしい楽曲と詩、 そして作品に深い理解を示して協力してくれたAimerさんに感謝を。 |